『食』をテーマにコラムを書かせていただきました。私たちを取り巻く環境は、日々変化していると思います。
私が子どものころは、ハンバーガーなどのファーストフードは月に一度の大イベントでした。コンビニもなかったので、家でお弁当を食べることもありませんでした。家で、母が作ったもの以外を食べる時は、お客さんが大勢来る時にとる仕出し屋さんのごはんだったように思います。
今は、外食も選択肢が増えました。お寿司・ファミリーレストラン・ファーストフードなどたくさんのお店があって、心惹かれるものばかりです。家で食べるにしても、コンビニ・宅配ピザ・お弁当屋さんなどメニューも種類も多く、台所を汚さずしておなかを満たすことが出来ます。
「たくさんの選択肢がある中で、自分の体に必要な食べ物を選ぶ。」
これは、私が考える食育です。毎日、ハンバーガーでもおなかは満たされるし、成長もするでしょう。しかしその時に、付け合せとしてポテトを選ぶのかサラダを選ぶのかでは、かなりの差が出てくると思います。カロリーはもちろんですが、体の中に入る栄養の種類はかなりの差だと思います。スーパーでお惣菜を買ってきたとしても、食卓にそのまま並べて「食べられる分だけ食べて、食べられなかったら残していいよ。あとでお母さんが食べるから」ではなく、子どもが食べられる量を一人分ずつお皿に盛り、いろいろな種類の料理を食べることができるようにする。そして、「今日、学校どうだった?」と子どもと話をする中で、「今日のごはんは、バランスとれているかな?」と今日のごはんについても話をするようにする。このように、毎日の食事の時間はちょっとした食育の時間になっています。
子どもはやがて親の元を巣立っていきます。早ければ、15歳から子どもは自由に食べ物を選ぶことが出来ます。その時に、きちんと選べる判断力を持つことが大事だと思います。一人暮らしをするようになったら、住むところはコンビニの近くを選ぶのではなく、スーパーの近くを選んで、自分が食べるものは自分で作ることができる人になっていてほしいなと思います。野菜の選び方・切り方、調理方法と知っておいてほしいことはたくさんあります。でも一番は、『自分が食べるものを大事に考えてほしい』です。自分を大事にできる人は家族を大事にでき、仲間や自然、自分の周りにあるものすべてを大事にすることができると思うからです。
これから子どもが家を巣立つまで、「食」に関するたくさんのことを伝えていきたいと思います。
(太田 こずえ)
投稿者 Kosodate : 16:42 | コメント (0)
給食の次は、お弁当です(笑)
次男は幼稚園に通園しているので、お弁当の日が週に2回程あります。主人は、毎日弁当が必要です。結婚した当初から主人へのお弁当作りは始まりました。結婚する前は、実家暮らしでしたので、弁当はおろか、台所に立つこともほとんどありませんでした。今になって、高校から結婚するまで弁当を作ってくれた母に大感謝です。結婚当初の私の作る弁当は、前日の夕飯の残りと冷凍食品を電子レンジで「チン!」といわせただけのお弁当でした。私も仕事をしていましたし、慣れない家事などで、弁当のおかずがすべて冷凍食品ということもありました。
結婚生活も3年を過ぎた頃、主人が転勤で小倉に通勤することになりました。勤務先が変わって、色々とストレスがかかったのか、アトピー性皮膚炎が再発しました。それを機に、私の作るお弁当が変わりました。
最初は『できるだけ手作りで』とおかず全部をお弁当のために作るように頑張りました。でも、お弁当のおかずって、『ちょこっと』だけでいいんですよね〜。少しだけ作っても、微妙な量が残ります。もちろん、頑張っていたので長く続きはしませ〜ん(泣)。そして、だんだんと前日の夕食のメニューがお弁当の中を占めはじめました(泣)。『ど〜にかして、市販の冷凍食品を使わず、夕食の残りメニューと気づかれず、お弁当に必要なちょこっとを作ることはできないものか!』と、ずぼらなことをいつも考えていました(笑)。
そこで、たどり着いたのが、『自分で冷凍食品を作る』でした。夕食を作るときに、必ずお弁当サイズのものを別に作るのです。お弁当カップ3個をタッパーに入れて、そのまま冷凍庫へ。お弁当を作るときには、冷凍庫からタッパーを出して、組み合わせてお弁当を作っていました。
時間があるときには、ちょっとアレンジしてみます。からあげだったら、『マヨネーズ和え』、『チリソース和え』、ピーマンと玉ねぎを炒めて、酢とケチャップで和えて『酢豚風からあげ』など、味付けを変えてお弁当に入れました。市販の冷凍食品にある献立を夕食で作った時には、必ずお弁当カップ3つ分余分に作ります。お弁当カップ3つ分は、大人1人前と同じくらいなので、うちでは大人3名分と子ども2名分の夜ご飯を作ることになります。夕食とお弁当の献立に時間差ができたので、『前の日の残りをお弁当に入れる』という罪悪感がかなり減ります(笑)。出来るだけ、作った日から2週間以内に使い切ってしまいたいと思うので、「そろそろ使い切りたいな〜」と思うときは、ロールパンにフライやスパゲティをはさんで土曜日の我が家のお昼ご飯にします。(あまりもので、全部種類が違うため、けんかになることも多々あります。)
この話を友達にすると、「冷凍食品は全く買わないの?」と聞かれます。しかし、答えは「ノー。」です(笑)。急いで夕食の準備をしないといけない緊急事態に備えて、常備しています。緊急事態でも、冷凍のフライが5人分であれば、全部調理して弁当カップサイズにして冷凍庫に入れてしまいます。自家製冷凍食品を作り出してから5年になりますが、主人の弁当・子どもの弁当・お昼ご飯など活躍の場が広がってきています。もちろん失敗もありました(ジャガイモ・こんにゃくは冷凍するとゴムやスポンジのようになるなど)。
冷凍庫の急冷などを利用して、自家製冷凍食品の品数を増やす努力はしていますが、市販の冷凍食品の進歩には驚かされます。スーパーの冷凍食品コーナーで『これも冷凍できるのか!』と発見・研究を重ねています(笑)。人は食事をしないと生きていくことが出来ません。私を含め『ご飯を作る人』は、生きている間、ずっとご飯を作り続けなければならないのだろうと思います。(書いていてゾッとしまた・・・。)でも、自分のためだけでなく、誰かのため(主人のため・子どものため)であるのならば、ちょっと手間をかけてみようかなぁという気になります。私は、これからも『頑張らなくても出来る手作り弁当』を作るために、冷凍食品コーナーを物色して、研究を重ね続けるでしょう。
(太田 こずえ)
投稿者 Kosodate : 13:17 | コメント (0)
前回のコラムで軽く触れましたが、私は自校式給食の調理員の仕事をしています。親しみやすい言葉でいうと、『給食のおばちゃん』です。今は、『調理員の先生』と子ども達に呼ばれています。私自身、大量に調理をする仕事が初めてなので、最初の頃は『?・?・?』と頭の中はハテナだらけで、毎日が社会科見学のようでした。『量が増えただけで、家でも料理しているし大丈夫だろう・・・』などという安易な考えも、あっという間に崩れ落ちてしまいました。(泣)今でも調理の予習・復習と日々勉強の毎日です。
子どもたちが調理場に給食を取りに来る時、調理員は、先生という立場で、子どもたちと接します。『熱いから気を付けてね』『重いけど大丈夫?』など声をかけますが、必ず『たくさん食べてね〜』といって教室に送り出します。『は〜い』と言ってくれる子もいれば、『・・・』(無視かい!)という子も・・・。本当は『残さないでね』『全部食べてね』と言いたいのですが、子どもも子どもの事情があるかな(好き嫌いなど)と思い、一歩引いて『たくさん食べてね』と言うのです。というのも、『給食が残ると、やっぱり悲しい!!』からです。
残菜率の多いメニュー。それは・・・
・嫌いな食べ物が入っている。
・良くかまないと食べにくい食材が使われている。
・聞いた事のないメニュー。
前回のコラムで書きましたが・・・『給食で食べる経験をたくさんしてほしい!』と思います。給食のメニューには、子どもに必要な栄養がたっぷりです。
給食の調理員になって、うちの子は、『これ、給食で食べたことある』とよく言います。我が家の食卓が給食化しているようですが、たくさんの旬の食材をおいしく食べることが出来るので、給食のメニューをかなり参考に夕食を作っています。地域によって『給食献立表』は違ってくるのかもしれませんが、じっくり見てみると色々な発見があると思います。子どもと一緒に献立表を見て、どんな料理になるのか考えてみるのも楽しいと思います。給食の献立と同じ食材で全く違う料理が出来てしまうことがあるかもしれません。
(調理員として働く前に何度かチャレンジしてみましたが、子どもの評価はことごとく『給食とはちが〜う』でした。)
人の体は『食べた物で出来ています』が、心を育てるのには、『愛情』が必要だと思います。給食は、納品してくれる方々・給食を作る人・メニューを考える人・給食を運んでくれる人などたくさんの人々が給食に携わっています。きっと、『子どもを思う親の気持ち』で給食に携わる仕事をしているのではないかと思います。給食は、『愛情も栄養もたっぷり』です。だって、私たち調理員は「おいしくなぁれ。げんきになぁれ」と思いながら、給食をつくっていますからネ!
投稿者 Kosodate : 09:57 | コメント (1)
みなさんこんにちは。今回から全4回のコラムを担当することになりました。昨年から長男の小学校のPTA新聞に食育の事を書かせていただいたことから「こちらのコラムも書いてみない?」と声をかけて頂き、執筆させて頂いております。「どんなことでもいいよ。」と言われましたが、『食育指導士』の資格を生かし(?)、給食が自校式の学校で、給食調理員として働いているので、『食』をテーマにコラムを書いていきたいと思います。
私には、息子が二人います。長男は小学2年生ですが、体重も身長も成長曲線の一番下のラインをたどって成長しているため、いまだに幼稚園児でも通用するくらいの体型です。
しかも、ウインナーなどの油がたっぷりのったお肉類を苦手とし、おかしが大好きな子どもです。
当然ながら、お菓子を食べると食事の量が減るので、お菓子もセーブしないといけません。
次男は、幼稚園年少さんです。成長曲線ど真ん中の標準体型ですが、声が異常に大きいです。(これは長男にも言えることですが、輪をかけて大きい)こちらは、長男とは違い、焼き肉屋さんが大好きで、肉・肉小僧です。そして、キノコ類を苦手とする子どもです。
「嫌いなものがある」とはいえ、食べさせないわけにはいきません。テレビを見ながら食事をする習慣もありませんので、食べ終わらないとテレビを見ることはできません。お皿の上にいつまでも残されている苦手とされる食べ物は、息子たちに食べられるのを今か今かと待っている状態です。長男は、「食べないと絶対に堪忍してもらえない」と分かっている(?)のか、苦手なものは先に食べてしまい、好きなもので食事をフィニッシュします。小食な子どもならではの発想です。困ってしまうのは、頑固な次男です。なかなか、食べません。意地でも食べません。こちらが折れてくれるのを待っています・・・(折れませんけどね)こんなことをしていると、こちらも片付けやお風呂など、これからのスケジュールが乱れてしまいます。もちろん待っていられないので、食事中に「残りそうだな〜」と思ったら声をかけます。(もちろんキノコが残ります)「きのこはね、風邪とかばい菌とかが体に入ってきたら守ってくれるんだよ。たくさん食べてやっつけてもらおうね〜」「チョキチョキってはさみに手伝ってもらおっか〜」などと、あの手この手で食べさせています。
『なぜ、食べ物に好き嫌いが出来るのか・・』
味がイヤ、食感がイヤ、匂いがイヤ、見た目がイヤなど、嫌いな理由がたくさんあります。
長男の場合は、肉類の油っこい感じがイヤなようで、ウインナーは焼くと苦手ですが、ボイルや蒸したりすると食べることができます。次男のきのこは、食感・見た目がイヤなようですが、小さく切るなど、わからないようにしていればモリモリ食べます。
人間には、昔々の太古の記憶の中に、苦いもの・青いものは熟していないし、毒かもしれないので食べてはいけないという判断基準が刻み込まれているそうです。今では、『苦いもの・青いもの』には大事な栄養素が入っているし、安全に調理すればもちろん食べることが出来ます。大人になれば『子どものころ嫌いだったのに、大人になったら食べられる』という経験はありませんか?(私は、ホウレンソウがそうでした)これは、『今まで食べてきた食材の中でこれと似た食べ物を食べたことがあるゾ。だから、これは食べても大丈夫』という食べる経験を積んでいたから起こることで、脳が『食べてみよう』という信号を出しているからだそうです。
食事を共にすることでできるコミュニケーションってたくさんありますよね。その時、一緒に食べている人が、「これはイヤ。」「見たことない、聞いたことのない食べ物は食べたくない。」などと言っていたら、コミュニケーションどころか気分を悪くしてしまうかもしれません。
世界に飛び出せば、知らない食べ物なんてたくさんあります。子どものうちから、食べる経験をたくさんさせてあげると、どこで、どんな人と食事を共にするときも、気持ちよく食事ができるのではないかと思います。『好き嫌いをなくす』のではなく、『食べる経験をする』という気持ちを持ち、また、子どもの好き嫌いに『無理をさせるのではなく、長い目で経験させていこう』と私自身このコラムを書きながら思いました。
太田 こずえ