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「ふくおか子育てパーク」をご覧になっている皆さま、こんにちは!2回目「連載子育てコラム」を書かせて頂いている…「メディカルパパ」ことパパ薬剤師の中村守男です。
前回の記事で書いた事ですが、現在の僕のシゴトは以下の3つです。
?小児科(子育て)専門の薬剤師。(管理薬剤師)
?NPO法人こどもとくすりの代表理事
?ファザーリング・ジャパン九州(略:FJQ)理事
と、言うわけで今回は〜?小児科(子育て)専門の薬剤師〜として書こうと思います。
僕の職場は調剤薬局です。そこでは医師が書いた処方せんを見て薬を調剤(薬を作る)し、ママ・パパ・家族などに投薬(薬を渡す)しています。特に僕は投薬がメインなので、毎日100人以上のママ・パパ・家族にお子さんの薬の説明をしています。その分、ママ・パパ・家族からの質問や相談をよく受ける事になります。
ある時「僕は一体どのくらいの人数から、どんな内容の質問を受けているのだろう?」と疑問に思い、毎日受ける質問をそのたびに記録してみました。それを計算してみると…なんと、小児科に携わった5年間で投薬回数83,000回、質問回数はその約1割で8,300回でした!(この計算が2010年1月の時点なので、2010年7月現在だと90,000回投薬+9,000回質問くらいになっていると考えられます。)
自分でもビックリする数でした(笑)。また、その質問の内容に関してはほとんど同じ様な事を聞かれている事も発見しました。例えば「熱さましの坐薬の使用期限ってどのくらいですか?」「子どもが飲んだ薬を吐いたのですがどうすればいいですか?」「食事を摂る事が出来なけど薬はどんな風に飲んだら良いのですか?」などでした。大学では薬剤師になる為に「薬の成分・効果・効能」を勉強しているにも関わらず、実際の質問は子育て中の生活リズムを中心としたものばかり、しかもその内容は子育てしていないと理解できないものばかりだったのです!
幸い、僕は小児科で仕事をし出した時に子どもが生まれたので、自分の子どもの成長と合わせて理解できる部分が多少なりあったのですが、自分の子どもより大きいお子さんに関しては全くの無知。なので、ママさんたちの話している言葉や意味が全く理解できませんでした!僕は慌てて、それまで勉強してきた「薬学」「薬局経営学」「ビジネス」などの本を読むことを止め、「育児書」「育児雑誌」「発達心理」「子育て社会の問題」などを読みあさるようになりました。
育児書などで勉強し始めて間もないうちに、不思議な事が起きてきました。それは、これまで薬局で見てきたもの…親子の会話、ママさん同志の会話、パパとママの夫婦関係、育児疲れのママ、子育てに関わらないパパ、病児保育の問題など…これらはすべて「現代社会における子育て問題の縮図」であると気づいてしまったのです。振り返ってみると、ママさんから受ける質問の言葉の裏には「子育てに関するメッセージ」が隠されている事が多いという事も知りました。
そこから、僕の投薬スタイルも大きく変化するようになりました。例えば「ママさん:この子が薬を飲まないで困るんです…!」という質問に対して「僕:○○や××、△△という方法がありますので試してください。」というテクニックを伝えるだけだったのですが、今は「僕:そうですよね、このくらいの月齢のお子さんは嫌がりますもんね。うちの子もはじめはダメでした。だけど、○○や××、△△という方法を使ってだんだんできるようになったのですよ〜。」とか、他にも「ママさん:夜中の咳がひどくて…!」という訴えに対し「そうですか、お子さんの咳がひどいと親も夜中に目が覚めてキツいですもんね。それで今日は咳止めが出ているのですね!」など、ママさんからの質問に向かい合うのではく、同じ方向に立って話すようになりました。
大学で医学・薬学の勉強してきた薬剤師はついついその知識やテクニックにおぼれがちですが、子育て中のママやパパが小児科や薬局に行くという事は「医療」を受ける以外に「子育ての安心」をもらいに行く意味も含まれています。薬の説明をして渡すだけの仕事なら自動販売機だってできます。受診時の最後に会話をする薬剤師はお医者さんよりも患者さんに近い存在。僕らの本当のシゴトは「薬」だけではなく「子育ての安心」を渡す事こそが、大切なだと思います。これからも僕はそれを意識した投薬と、子育ての目線に立った情報をしっかり伝えていきたいと思っています。
今回も、このコラムを読んでくださっているあなたに感謝します。本当にありがとうございます!あと数回、この僕のコラムに付き合って下さいませ!
パパ薬剤師|中村守男
投稿者 Kosodate : 2010年07月13日 11:00
こんにちは。今朝の新聞も見ました。
このコラムを読むとパパはこんな気持ちで仕事してるんだなぁ〜とあらためて思いました。そして、パパはやっぱりすごいなぁ〜と思います。
投稿者 かぶと虫 : 2010年07月14日 14:14
>かぶと虫さま
コメントありがとうございます!
また、朝日新聞も読まれたとのことで、ありがとうございます。
>パパはこんな気持ちで仕事してるんだなぁ〜
→はい!まあ100%では無いですが…(笑)
ただ、
シゴトは前向きに楽しんだ方が良いので
自分の居る場所から、子育て社会の何が見えるか?
そう思って仕事をすると面白いし
自分が子育てしているので
ママやパパの立場ならこうして欲しいだろうな?
なんて考えています。
投稿者 パパ薬剤師|中村守男 : 2010年07月16日 06:11
はじめまして!中村様。
3児のパパをしている薬剤師です。私も以前小児科を4年ほど経験してまして、子供たちの病気やご両親の子供に対する悩みなどにお役に立てる小児専門の薬剤師を目指したいと今でも思っています。
中村様のコラムを拝見し、いろんな活動もされていて同じパパとしてすごいな〜と感じております。
是非また拝見させていただきたいと思います。
投稿者 3児のパパ薬剤師 : 2012年10月23日 10:16