編みかけのまま何回もシーズンを越したセーターの片袖、しおりが一向に進まない長編小説…。こんなずぼらな私が子どもを産んだ。産んでしまったからには、プランターの花のように「枯らしちゃいましたぁ」と終わらせることはできない。(当たり前かっ!)
結婚したら子どもは産むものと思っていた。そして、産んだらゴールだと思っていた。日に日に大きくなるお腹に語りかけては、おとぎ話のように「そして、みんな幸せに暮らしましたとさ…」で終わると信じていた。しかし、それは間違い。とんでもない大誤解。産んだその日からが、すべての「始まり」だったのだ。
ショックだったのは、幼少の頃より「土・日は休み」と身体に叩き込まれた生活リズムが見事に叩き壊されてしまったこと。母親は24時間年中無休のコンビニ状態と言うが、そんな悠長なものではない。24時間年中無休で、尚かつ待機中の救命救急士のようなものだと思う。添い寝の赤ちゃんが暗闇で「ウン」とか「スン」と言うだけで、ガバッと跳ね起きて「何?おっぱい?オムツ?」と対応できるのは、母親くらいのものだ。(パパが跳ね起きて、ママが寝ているという知人家庭もあるが…)
ビデオ視聴3回のみという産婦人科のお粗末な母親学級では、とてもオムツの替え方から授乳の仕方までマスターできるものではなかった。今さら文句を言っても始まらないが、当時は無知な自分が恥ずかしくて「どうやって、オムツを替えるんですか?」とは、看護師さんにとても聞けなかった。病室に持ち込んだ『出産大百科』を見ながら、夫と2人、理科の実験のように初めての我が子のオムツを替えた。干物のような新生児。CMに出てくる赤ちゃんと全く違うナゾの生命体のような存在に、愛情が湧くと言うより、とにかく殺さず生かせることだけに心血を注いでいたような気がする。義務感と重圧感の中で、奥歯をかみしめながら踏み出した最初の子育てだった。
初産の痛みのあまり「もう、子どもは産みません!」と分娩台で、9年前力強く宣言した。それなのに、なぜか今では4人の子持ちになっている。9年の月日の間に、ずぼらなりに手抜きの仕方も身に付いてきた。小4と小1の男の子、2歳10ヶ月と4ヶ月の女の子。まるで、男女共同参画社会を絵に描いたような男女比だ。特に産み分けしたワケではないが、「うまいなぁ」と我ながら感心する。思春期に差しかかった子どもから、赤ちゃんまで。みんな個性が違って、それぞれ面白い。特に、新生児のフニャフニャした頼りなさは、もうそれだけで愛おしい。この変わり様は一体何なのだろう?
「慣れ」も確かにあるが、この世に存在していなかった生命を産みだしてしまったからには、責任持って面倒をみなくちゃ!という「覚悟」が、自分の中で芽生えてきたのも理由の一つだろう。産む覚悟、育てる覚悟、共に生きる覚悟。いろんな「覚悟」を背負い込んで、なんとか「おとなの親」になろうと、日々ジタバタとあがいている。
(筑豊子育てネットワーク「かてて!」 渡邉 福)
投稿者 Kosodate : 2005年10月01日 14:28
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さきさん、始めまして!
(うそうそ、「福」を「さき」なんて読める人はそんなに居ないって...)
軽快な文章の中に、母としての重厚な責任感と、生々しくも痛々しい現実が伝わってくるよね。
それに引き換え、父親のなんと、お気楽なこと。
もちろん、同じように責任を負おうという考えはあるのだが、所詮、あとから取ってつけた感が否めない。
じっさい、後から取ってつけてるし。
正直なところ、第一子が生まれてから、3年間くらいは、責任感らしきものはほとんどなかったもんね。
母親が大人になるのは難しいかもしれんけど、
父親が大人になるのは、もっと難しいのだ。
試練にさらされて無いから....
次回、楽しみにしています。
投稿者 のしぱぱ : 2005年10月01日 02:18
おもしろいけど、それだけじゃない。もっともっと 読みたいなぁ。
投稿者 こーディ2号 : 2005年10月01日 07:56
読んでいてとても楽しい。何度も読み返したくなる文章です。赤ちゃんかわいいですよね。
投稿者 さくら : 2005年10月01日 07:57
イラストがはっきり見えなくてちょっと残念です^^
パワフルに子育てをされている様子をもっともっと読ませてください。楽しみにしています。
投稿者 りぼん : 2005年10月01日 07:57
私は今年で40歳!!になりました。
私も、「え”〜!!見えな〜い!若いよね!」の言葉を聞きたくて若作り?をしてます。子どもは年中さんの男の子が一人!(もう、いらない)育児にかなり悩んで苦戦したので、もう結構って感じです。でも、やはり我が子はかわいい!!でも、子育てに悩んだからこそ、今の自分があると思ってます。渦中にいたら辛いけど、今はいい思い出!本当に子育ては奥が深い・・・
投稿者 かおりん : 2005年10月01日 07:58
四人も子どもさんがいて、大変だけどいいですね。四人も産もうという気持ちになったのがいいですね。私はもうすぐ育休があけます。保育園にやる練習をして、やっと泣かずにいけるようになりました。でも本格的に職場に行き出すときっと病気をするだろうしと不安でいっぱいです。里が近いといいんだけれど、遠いし二人目なんていつかしらと思ってしまう。また、元気くださいね。
投稿者 さとちゃん : 2005年10月01日 15:18
新装開店の女将のような気分で、お一人、お一人のメッセージを手を合わせながら拝読しています。コメントいただき、ありがとうございます。
栄えある第1号と言うことで、ずいぶん肩に力が入った文章だなぁと、今更ながら客観的に読み直し後悔しています。まるで『渡邉の子育て世相を斬る!』みたいな感じですね。
次回は、もう少しおとぼけな感じになりますので、お楽しみに…。
投稿者 渡邉 福 : 2005年10月01日 16:04
元気になる日記ありがとう。土台世の中って子育てを軽んじていると思いませんか。がんばれがんばれで若い親特に母親を追いつめるくせに、子育てや生活を毎日回していることの評価が低い。だから変に競争する教育ママも出てくるんじゃないかしら。
投稿者 もみじ : 2005年10月03日 10:19
そうそう!そうでした。
すべての始まりで“24時間年中無休で、尚かつ待機中の救命救急士”。
でも、それでも余りある幸せをもらえるよね(^_-)-☆
投稿者 キナコ : 2005年10月03日 13:09
こんな泣いて笑えるコラムを読むと、子育ての悩みや大変さも吹っ飛んでしまいますね。ホンネの子育て論こそ日々の子育てを支えてくれます。私もめげずにガンバろう!
投稿者 fine : 2005年10月03日 16:20
福さん、子育て手記読みました!私は子どもが一人でひーひー言ってるのに福さんは4人だから毎日がラバウル戦線異常なしって感じですよね・・・。すごいです!!脱帽です。これからも投稿楽しみにしています。それにしても子育てって楽しいですよね。独身時代の自分に教えてあげたいもんです。
投稿者 タイガーリリー : 2005年10月11日 09:21
??? i just found here , so paged now !!! u r so great , cuz give our simple life much pleasure...
i feel 2.... no wonder we make ppl , so we r god !? he he he.....
投稿者 kiyomi , c : 2005年10月20日 04:10
kiyomi,cさん>英語のコメントありがとうございます。インターナショナルですねぇ。英語の勉強しなおさなくっちゃ・・これからもコメントよろしくお願いします。
投稿者 管理人k : 2005年10月21日 01:36
no no no.....just i cant type jp by my pc.....how poor is mine .....
投稿者 kiyomi , c : 2005年10月21日 23:40